お香のこと 白檀
白檀
釈迦が愛し、幾多の人々を虜にした香り…
インド、インドネシア、南太平洋、オーストラリアなど広範囲に分布する常緑高木です。
幼木時代は、寄生木として他の木と共に成長します。
主にインド南部のカルナタカ州、マイソール地方で産出されるものを老山白檀と呼び、香木として珍重されています。
香原料としてだけでなく、抗菌作用があるとして利用されていました。
インドでは、熱覚ましとしても使われています。
産地による違い
白檀で最上級のものはインドのマイソールで採られる、老山白檀です。
老山白檀は香りが濃厚で甘くほろ苦いのが特徴です。
次にインドネシア産の白檀は、インド産に比べると香りが少し軽く、甘味が感じられます。
フィジー産白檀は香りが強めですが甘味の他に青苦さが感じられます。
他にもオーストラリアやバヌアツ諸島、ハワイ諸島など幾つかの場所で白檀は採取されており、産地ごとに香りの違いがあります。
彫刻・細工物
白檀は古来より仏像の彫刻や工芸品などの細工物に使用されてきました。
昨今では、白檀の需要が高まり、乱伐採が行われ価格の高騰や、輸入規制などにより彫刻などで使える白檀が日本に輸入できなくなりました。
そのため過去に輸入されたものを使用し、作られることがあります。
白檀を使用した製品
長川仁三郎商店では仕入れた白檀を粉末や刻みにして、お香メーカーへの卸や自社製品の製造を行っています。また、彫刻や細工が可能な白檀の仕入れがあれば、数珠を作る職人に卸したり、自社でストラップや分割を製造しております。